2024.06.28
ECサイト制作費用の相場は?タイプ別の特徴や構築費用を比較
「ECサイトの制作費用の相場はどのくらい?」
「自社に適したECサイトの予算感を把握したい」
EC事業への参入を検討している方のなかには、このような疑問や悩みをもっている方もいるのではないでしょうか。ECは商圏が広く、ビジネスチャンスを広げやすい利点があります。それを実現させるECサイトは、企業の有力な戦力です。
しかし、ECサイトの構築にはそれなりの費用がかかるのが一般的です。予算次第では、参入が難しいケースもあるかもしれません。
本稿では、ECモールへの出店費用や、自社ECサイトの制作にかかる費用相場を、ECサイトのタイプ別に解説します。EC事業成功につながるECサイトの導入ポイントもあわせて紹介するので、EC事業に進出する際の費用感が気になる方はぜひ参考にしてください。
ECサイトは種別ごとに特徴があり、導入の費用感も異なります。ECサイト選びに迷っている方は、ぜひイラストリアスにご相談ください。貴社の予算や希望に合わせたECサイトを提案しているので、費用対効果を高められます。
ECサイト制作費用の相場
ECモールのように無料で出店できるサービスもありますが、独自でECサイトを構築し運営するには開発費用がかかります。ECサイトの制作にかかる費用の相場は、サイトの開発規模やECサイトのタイプによって異なります。
開発規模ごとの制作費用の目安は、以下の表の通りです。
開発規模 | 開発費用の目安 |
---|---|
小規模 | 10万~100万円 |
中規模 | 100万~500万円 |
大規模 | 500万~数億円 |
また、ECサイトのタイプ別の費用相場は、以下の表の通りです。
タイプ | 概要 | 初期費用 | 月額費用 | 開発期間 | カスタム | サポート |
---|---|---|---|---|---|---|
ECモール | ネット上のショッピングモール 代表例: | 0~10万円 | 月額利用料: +システム手数料が発生 | 1日~1ヶ月 | × | ・運営 |
ASP | ASP各社が提供するシステムを利用 代表例: | 0~数千万円 | 月額利用料: +システム手数料が発生 | 1週間~5ヶ月程度 | △ | ・構築 |
オープンソース | 無料で公開されているプログラムを利用しつつECサイトを構築 代表例: | 10万~500万円 ※社内対応や外部委託先によって大幅に異なる | メンテナンス費: | 2~5ヶ月 | ○ | × |
ECパッケージ | 標準的機能がパッケージ化されたソフトを利用 代表例: | 100万~数千万円 ※システム規模によって大きく異なる | システム利用料: メンテナンス費:(数年毎) | 2~8ヶ月 | ○ | ・構築 |
フルスクラッチ | ゼロからECサイトを構築する手法 | 500万~数億円 ※システム規模によって大きく異なる | メンテナンス費:(数年毎) | 4~8ヶ月 | ◎ | ・構築 |
ECサイトのタイプごとの特徴については、次の章で詳しく紹介します。
ECサイトには多種多様な種類があり、開発の規模や期間、費用はさまざまです。どのようなECサイトを構築すべきか迷っている方は、ぜひイラストリアスにご相談ください。
10年以上の実績をもとに、貴社にマッチしたECサイトの提案を行います。ご相談・見積りは無料なので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
ECサイト制作方法別の特徴・費用相場
ECサイトの特徴や制作費用の相場について、以下のサイト種別ごとに解説していきます。
- ECモール
- ASP
- オープンソース
- ECパッケージ
- フルスクラッチ
1.ECモール
ECモールとは、さまざまな店舗が寄り集まって1つのサイトに出店する方式を指します。インターネット上に構築されたショッピングモールのようなイメージです。
特徴
ECモールを利用する場合には、自社ECサイトの作成は必要ありません。サービス提供元の事業者が用意したシステムを利用し、出店・出品処理をするだけで、手軽にEC事業への進出が可能です。
ECモールにはいくつかの種類があります。たとえば、ショップ単位で出店するテナント型ECモールの代表例は以下の通りです。
- 楽天市場
- Yahoo!ショッピング
一方、商品単位で出品するマーケットプレイス型ECモールには、以下のものがあります。
- Amazon
ECモールは、導入費用を抑えつつ、手軽にEC事業に参入しやすいのが大きなメリットです。また、ECモール自体の知名度を利用して集客できる利点もあります。
一方で、デザインや機能のカスタマイズができないため、独自性を出しにくいデメリットがあります。サイト上の見た目では競合との差別化が図りにくいため、他の部分で工夫が必要です。
ECモールは売上に応じてロイヤリティを支払う必要があるため、ランニングコストに不満を感じる可能性もあります。
ECサイト構築費用の相場
ECモールは、事業者側が用意したシステムを利用するだけなので、サイトの構築費用は不要です。ただし、次の通り初期費用や月々の利用料がかかります。
初期費用 | 0~10万円 |
---|---|
月額費用 | 月額利用料:0~10万円 |
導入に向いている企業
ECモールの導入に向いているのは、自社独自のECサイトを制作する余裕が無い企業や、初期費用を抑えつつEC事業への初参入を目指す企業です。
システム手数料が気になる場合には、運用や予算の目処が立った段階で別タイプのECサイトを導入する施策も有効です。
2.ASP
ASP(Application Service Provider)とは、ASP各社が提供するクラウド上のシステムを利用することで、自社ECサイトを立ち上げる方法です。
ASPは、「クラウドEC」と呼ばれる種別に細分化して紹介されることもあります。細分化して紹介される場合、クラウド型である点は共通ですが、より規模が大きくカスタマイズ性が高いものをクラウドECと呼ぶ傾向が見られます。
特徴
ASPは、「カートASP」や「ASPカート」とも呼ばれます。
ASPの代表例は以下の通りです。
- Shopify
- BASE
- カラーミーショップ
- メルカート
ASPは、テンプレートを入力するだけで、手軽に自社のECサイトを構築できるのがメリットです。
クラウド上のシステムは常に最新状態にアップデートされます。社内にサーバーの準備は不要で、独自ドメインの取得も可能です。
ランニングコストについては、ECモールより抑えられる利点があります。
一方で、複雑なカスタマイズや機能の追加には対応できないデメリットがあります。ASPやプランごとに機能や使用感の特徴が異なるため、ASPの選択には注意が必要です。
たとえば、初期費用や月額費用が低額なASPは拡張性が無く、外部システムとの連携もできないことがあります。
ECサイト構築費用の相場
ASPのサイト構築費用の相場は、以下の通りです。
初期費用 | 0~数千万円 |
---|---|
月額費用 | 月額利用料:0~10万円 |
導入に向いている企業
ASPの導入に向いているのは、できる限り費用を抑えつつ自社のECサイトを構築したい企業です。
ASPごとに使い勝手が異なるため、自社向きのASPを探す必要があります。
3.オープンソース
オープンソースは、無料で公開されているプログラムを利用しつつECサイトを構築する手法です。
特徴
オープンソースは、無償提供されたプログラムを自由にカスタマイズできるのが大きな特徴です。
ECサイトのオープンソースとしては、以下が挙げられます。
- EC-CUBE
- Magento
なお、ECサイトではありませんが、WordPressもオープンソースの代表例です。
オープンソースは、カスタマイズ性が高いわりに開発費用を抑えやすいメリットがあります。基本部分のソースが無償で提供されるため、開発工数を抑えつつ好きな機能を追加したり、見た目を調整したりがしやすいです。
一方で、ソースコードに独自に手を加える必要があり、専門的な知識が必須なデメリットがあります。サポートが受けられない可能性もあるため、システム上のトラブル発生時には基本的にすべて自己解決しなければなりません。
自社でサーバーを用意し、セキュリティやメンテナンス対策にも留意する必要があります。外部の制作会社に開発を依頼可能ですが、その場合には費用がかさむ可能性がある点に注意しなければなりません。
ECサイト構築費用の相場
オープンソースのECサイト構築費用の相場は、以下の通りです。
初期費用 | 10万~500万円 |
---|---|
月額費用 | メンテナンス費:数万~10万円 |
導入に向いている企業
オープンソースの導入に向いているのは、自社内でプログラムを開発するノウハウをもっている企業です。基幹のプログラムがあるため、リソースの節約が可能です。
外注する場合にも費用を抑えられる可能性はありますが、依頼先の制作会社によって費用がまちまちな点には注意を要します。
4.ECパッケージ
ECパッケージは、標準的な機能がパッケージ化されたソフトを利用してECサイトを構築する手法です。
特徴
ECパッケージは、高いカスタマイズ性とコストパフォーマンスのよい費用感の両立が魅力のECサイトです。自社内でのシステム構築が難しい場合には、外部の制作会社に委託できます。
ECパッケージの代表例は以下の通りです。
- SI Web Shopping
- ecbeing
- EC Orange
- ebisumart(※クラウド型)
ECパッケージは、後述のフルスクラッチより自由度は落ちるものの、オリジナリティに富んだ機能やデザインをもつECサイトを構築できます。サイトの公開後に運営サポートが受けられるのも魅力です。
一方で、フルスクラッチよりは抑えられるものの、導入費用やランニングコストがかさむデメリットがあります。よくあるオンプレミス型のECパッケージの場合、自社でサーバーを用意しメンテナンスする手間もかかります。
ソフトウェアのバージョンアップ時にも都度費用が発生するため、運用コストへの配慮も必要です。
ECサイト構築費用の相場
ECパッケージを利用したECサイト構築費用の相場は以下の通りです。
初期費用 | 100万~数千万円 |
---|---|
月額費用 | システム利用料:数万~10万円 |
導入に向いている企業
ECパッケージの導入に向いているのは、独自性の高いECサイトを構築したい企業です。
開発や集客のサポートをしている外部会社を利用すれば、社内にノウハウが無くてもEC事業への参入が可能です。
5.フルスクラッチ
フルスクラッチは、何も無いゼロの状態からECサイトを構築する手法です。
特徴
フルスクラッチは、完全オリジナルのECサイトを構築できるため、自社の要望を反映させやすいメリットがあります。これまでに無いデザインのサイトを作成できるため、他社と一線を画したサイトの構築が可能です。
その分、開発期間が長くかかりコストがかさむデメリットがあります。自社独自のシステムのためノウハウが一般化しておらず、ネット検索してもトラブルを解決できない側面もあります。
システムアップデートの必要があれば、別途費用をかけて更新プログラムの作成を依頼しなければなりません。
ECサイト構築費用の相場
フルスクラッチの場合、ECサイトの構築にかかる費用の相場は以下の通りです。
初期費用 | 500万~数億円 |
---|---|
月額費用 | メンテナンス費:数万~10万円 |
導入に向いている企業
フルスクラッチの導入に向いているのは、他には無いECシステムを構築したい企業です。
既存の社内システムと自由に連携させたい企業や、システムに合わせた社内ノウハウを蓄積可能な企業もフルスクラッチに向いています。
ただし、自由度が高い分、デザインや機能についてかえって迷う可能性もあります。
EC事業を成功に導くECサイト導入の4つのポイント
EC事業を成功に導くECサイト導入のポイントは、以下の4つです。
- ECサイトのタイプは事業規模にとらわれずに選択する
- ECサイトのランニングコストにも留意する
- 必要機能は要件定義前に精査しておく
- 必要に応じて補助金や助成金を申請する
それぞれ詳しく解説します。
1.ECサイトのタイプは事業規模にとらわれずに選択する
選択するECサイトのタイプは、事業規模にとらわれず、自社にマッチしたものを選択することが大切です。ECサイトが自社にマッチしていれば、EC事業の参入が成功しやすいメリットがあります。
たとえば、サポート体制やセキュリティ対策はECサイトごとに特徴があるので、しっかりリサーチしておく必要があります。社内ノウハウやリソースが不足している場合には、手厚いサポート体制が整っているECサイトを利用するのが無難です。
また、将来的に事業規模が拡大した場合には、小規模なシステムでは不足になり、作り直しが必要な可能性があります。将来性まで考えて設計するのがベターです。
どうしてもECサイトの種別に迷い、事業規模を参考にしたい場合には、以下の基準を一つの目安にしましょう。
年商 | 目安のECシステム |
---|---|
1億円まで | ・ECモール |
1億円以上20億円程度まで | ・オープンソース |
20億円以上 | フルスクラッチ |
2.ECサイトのランニングコストにも留意する
EC事業は、運営にかかるランニングコストにも留意する必要があります。
ECサイトは導入して終わりではなく、一般的には月額利用料やサーバー費用などのランニングコストがかかります。対応にあたる社内リソースも必要です。
また、構築したECシステムを一生そのまま使えるわけではありません。定期的なメンテナンスやシステムのアップデートが入るのが通例です。
それらを考慮しておかないと、経営がひっ迫する可能性があります。
余裕をもったプランニングをするのが肝要です。
3.必要機能は要件定義前に精査しておく
自社システムに必要な機能は、要件定義前に精査しておく必要があります。
要件定義とは、開発するシステムに要求される機能をまとめる作業です。自社の要望や現行システムとの兼ね合い、業務フローを整理し、実装機能や実現方式を検討します。
要件定義のフェーズが完了した後に機能の追加や変更の要望を出すと、開発工数や費用の追加が発生する可能性があります。ECサイトの場合には、一般的には以下の精査が必要といわれるため、入念に検討しましょう。
- デザイン
- 決済方法
- ささげ業務(撮影・採寸・原稿)の担当
- 物流業務
- 集客方法
- 既存システムとの連携
具体的なイメージがわかない場合には、成功している企業や競合先のECサイトを参考にすると、自社に欲しい要素が見えてきます。KPIを設定のうえ、その指標に向かってサイト導入のシナリオを考えるのも有効です。
4.必要に応じて補助金や助成金を申請する
必要に応じて、補助金や助成金の申請を検討しましょう。導入費用に関する障害を解消し、EC事業に踏み出すよいきっかけにできます。
利用できる補助金や助成金の例としては、次のものが挙げられます。
補助金の種類 | 補助率 | 補助額 |
---|---|---|
IT導入補助金 | 1/2以内 | ~450万円 |
事業再構築補助金 | 1/3~1/2 | ~1億5,000万円 |
小規模事業者持続化補助金 | 2/3 | ~200万円 |
参照:IT導入補助金
参照:ポストコロナに対応した 事業再構築をこれから行う事業
参照:小規模事業者持続化補助金
申請には条件があり、補助金を受け取るには審査を通過する必要があります。また、原則的に契約前の申請が必要なため、利用を希望する場合には十分に注意しましょう。
ECサイト制作費用の相場をつかみ、自社にマッチしたシステム構築を目指そう
ECサイトにはさまざまな種類があり、制作費用の相場もまちまちです。自社に適したECサイトを導入し、企業の競争力を高めましょう。
ECサイトは、企業によって種別に向き不向きがあります。サイトの選択を誤ると、思ったような成果が得られないばかりか、経営をひっ迫する可能性もあるため注意が必要です。
10年以上の実績を誇るイラストリアスでは、貴社のケースにマッチしたECサイトを提案しています。運用サポートも可能なので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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